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いしいたけしのブログ

フィリピンの教育制度とフィリピン人の教育に対する曲がった考え方

投稿日:2019年3月28日 更新日:

フィリピンの田舎まちでNGOを運営しています。いしいたけし@kuya_takeshiです。

最近、地方農村に住む経済的に貧しい人たちへインタビューをしているのですが、多くの人が貧困の原因は教育にあると語り「教育を受けられれば貧困から抜け出せる」という考えをもっていました。

それを聞いたときに「もしかしたらこの考えが逆に貧困から抜け出す壁になってる?」と思いました。

今回はその辺りフィリピンにおける教育と貧困との関係について考えたことを書いていきます。

フィリピンの義務教育k-12と就学率

まず基本的なところでフィリピンの教育に関してですが、フィリピンはK-12(ケートゥートウェルブ)というアメリカに習った義務教育制度を取り入れています。

KはKinder Garden=幼稚園を意味し、12はその後の12年間…幼稚園が1年+小学校6年の後に高校6年(High School 4年+Senior High School 2年と別れている)の計13年が義務教育となっています。

就学率は…

小学校入学はほぼ100%と言われているものの、

小学校卒業率は83%

高校進学率は68.15% 

そして大学進学は35.7%、卒業までだと21.6%にまで下がるそうです
※情報元:World Education News+Reviews

ちなみに日本は高校進学率がほぼ100%近く、大学進学率も60%近く専修学校を入れると確か75%以上あったと思います。

さらに言うとこの数字はフィリピンの全国平均なので地方の経済的に貧しいコミュニティに行くとこの割合はもっと下がります。

例えば僕の団体でサポートしている高校生たちが生活している村は300人くらいの集落なのですが、大卒者は数えるほどでおそらく5%くらいになります。

進学できない原因はもちろん経済的な理由から。高校までは学費がかからないけれど、大学に行くと必要なお金がぐーんと上がります。

ちなみに2018年からはドゥテルテ大統領の改革で国公立大学の学費が無料になりました!大学進学率の上昇が期待されます!

ドゥテルテさんは悪評が高いけど、実行力もあるのでフィリピンでは人気があります!

貧困から抜け出すために必要なものは教育だけか?

こうした貧しいコミュニティの人たちに、当事者としてどこに課題を感じているのか?

貧困から抜け出すためにはなにが必要なのか?

インタビューをすると…

返ってくる答えは教育=大学進学が必要だということ。

間違いなくほぼ100%の人がそう答えます。

そしてそれさえあれば十分であるかのように多くの人が思っています。

大学を卒業する→安定して高収入の仕事に就く→生活が豊かになる。

というロジックが彼らの中に描かれているのです。

大学に入れれば全てOKというマインドセット

というようにフィリピンの貧しいコミュニティの人たちは大学に入れば全てうまくいくというマインドセットを持っていて、それ以上になにが必要か考えずに及んでいないようでした。

そしてこのマインドセットが貧困を抜け出せない2つのパターンを生み出してしまっていると感じています。

どうせ大学にいけないからあきらめてしまうパターン

まずひとつは大学に入れればOKから生まれる逆の考えで、大学に行けなければ貧しいままという意識になってしまうパターンです。

それにより「どうせ自分は大学行けないから」と希望を見いだせず小学校卒業後や高校の途中で将来をあきらめてしまう子たちが多くいます。

大学に入ってから苦労するパターン

また奨学金を得たり運良く親戚からの支援を得て大学に行けても、現実は4割ほどの人が卒業できずに終えています。

また大卒者でも20%が失業状態にあるというデータもあります。

ちなみに僕の知り合いでも大学を卒業したものの定職に就けずトライシクル(バイクタクシー)のドライバーをしている人もいますし、スーパーで契約社員としてレジを打ってる人もたくさんいます。

こういった現実に目を向けずに大学に入学できたらそれでOKというマインドセットが、大学卒業に向けてあるいは卒業後へのモチベーションを生み出せずにその先につながっていないのではと感じています。

フィリピン貧困の原因ひとつは社会全体にあるマインドセット

教育さえ受けれれば貧困から抜け出せるといったマインドセットは個人レベルではなくコミュニティ全体またフィリピン社会全体にある考え方です。

こうした課題がフィリピン人を貧困から抜け出すことのできない原因でありまたひとつの難しさであると感じています。







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